日帰り白内障手術
病気があればすぐ手術、というわけではありません。
患者様の症状・進行具合・今後の見通しや社会生活・職業・要望などを総合的に考え、患者様と相談しながら治療方針を考えていきます。
当院では、患者様一人一人に合わせた説明やアドバイスを行っております。是非、気軽にご相談下さい。
当院では多焦点眼内レンズを使用した白内障手術も実施しております。
白内障手術とは
水晶体乳化吸引術、眼内レンズ挿入術
人の眼をカメラに例えると、カメラのレンズに相当する働きをするのが水晶体です。
この水晶体が濁ってくると、霞んだりぼやけて見えたりするようになります。
この水晶体が濁った状態を白内障といいます。
水晶体は袋の様なもの(嚢:のう)に包まれています。白内障手術では嚢の表面(前嚢:ぜんのう)を円形に切り取り、中の水晶体を
取り除いたあと、嚢の中に眼内レンズを入れます。
当院の白内障手術は日帰り手術です
その日にお帰りになれます
当院では、日帰り白内障手術を行っております。
(※ 入院施設はございません。)
ご来院からご帰宅までのお時間の目安は4時間程度です。
手術の進行状況・手術内容によっては、目安のお時間より長くなる場合がございます。
術式・麻酔方法・手術時間
- 術式
- 水晶体乳化吸引術 + 眼内レンズ挿入術
→ 濁った水晶体を取り除き、眼内レンズという人工のレンズを挿入します。 - 麻酔
- 手術は局所麻酔で行っていきます。出血も少なく、痛みの少ない手術です。
- 時間
- 手術時間は平均で20〜30分程度です。
個人差はありますが、早い場合は10〜15分程度で終了する場合もございます。
多焦点眼内レンズを使用した白内障手術
当院では多焦点眼内レンズを使用した白内障手術も実施しております。
多焦点眼内レンズとは
白内障手術では濁った水晶体を取り除いたあと、水晶体があった嚢と呼ばれる部分に眼内レンズを挿入します。
通常の白内障手術では、この眼内レンズは単焦点と呼ばれる、ピントの合う焦点が1カ所のレンズとなっています。
通常使用される単焦点の眼内レンズに対して多焦点眼内レンズ(遠近両用多焦点レンズ)とは複数の焦点を持つレンズの事です。
多焦点眼内レンズの見えかた
一般的な単焦点の眼内レンズでは、ピントの合わない距離をよく見るときにはメガネを使用することになります。
これに対して多焦点眼内レンズでは近方と遠方の2つの距離(または3つの距離)にピントが合うため、多くの場合で眼鏡を使用することなく過ごすことが出来ます。
その反面、単焦点レンズとくらべて見え方のシャープさがいくぶん劣るとされます。
3焦点眼内レンズ(トリフォーカルレンズ)
白内障手術において多焦点眼内レンズというと、手元と遠くの2カ所で焦点が合うように作られている眼内レンズのことを指すことが一般的ですが、3焦点眼内レンズ(トリフォーカルレンズ)といって手元、中間距離、遠くの3カ所で焦点が合うように作られた眼内レンズもあります。
国内でも厚生労働省の認可を受けた3焦点眼内レンズ(トリフォーカルレンズ)が流通しており、当院でも認可を受けた3焦点眼内レンズによる白内障手術を実施しています。
(2020年4月より多焦点眼内レンズを使用した白内障手術は選定療養制度の適用対象となっています。)
当院では厚生労働省の認可を受けたAlcon社の3焦点眼内レンズ(トリフォーカルレンズ)Clareon® PanOptix® Trifocal(クラレオン パンオプティクス トリフォーカル)を使用した白内障手術を実施しています。
改良された眼内レンズ素材「Clareon®」による長期間続く高い透明性や、独自のエッジデザインの採用による手術後のエッジグレアの軽減を実現しているとされます。※
白内障手術の予約について
まずは診察を受けて頂き、医師とご相談下さい。
白内障手術、及び手術前検査・手術前最終診察日は予約制となっております。
電話での予約は承っておりませんので、一度診察を受けて頂き手術日程を決めていきます。
白内障手術の適応は白内障のため視力低下をきたし、日常生活に不自由を感じる場合とされています。
手術をするべきかどうか、手術時期についてなど、気軽にご相談下さい。
白内障手術前後の流れ
手術までの流れやその後の注意事項などについては、患者様の症状などにより異なる場合があります。
また、実際の手術の際には医師及びスタッフから手術そのもののことについてや、手術の流れ、注意事項などを患者様に直接詳細に説明いたします。
当院では遠近両用多焦点レンズを使った白内障手術にも対応していますので、ご興味のある方は診察の際にご相談ください。
診察や検査内容により手術をすることが決まったら
- 1.手術に関する日程を決めます。
- ・患者様と相談しながら、手術日、その他検査・診察日の日程を決めていきます。
・手術決定後は医師および看護師より、手術方法の他、手術前後の予定・注意事項等の説明及び問診があります。 - 2.手術前検査(予約制)を行います。
- 手術に必要な眼の検査と採血・心電図検査、及び診察を行います。
- 3.手術前最終検査
- 手術のオリエンテーションを行います。
(手術当日の来院時間・手術前点眼・手術前後の注意事項などについて) - 4.手術当日
- ・手術の順番に沿って、事前に指定された時間にご来院して頂きます。
・手術をした眼に眼帯を当てたまま翌日まで過ごして頂きます。
・手術後はお会計が済み次第、すぐにご帰宅頂けます。 - 5.手術翌日診察
- ・スタッフが眼帯を外します。その後検査・診察を行います。
・手術後の点眼方法について説明を行います。
- 術後1週間は短い間隔で診察があります。その後も定期的に診察が必要となります。
- 予約制の診察であっても、当日の診療状況によってお待たせする時間が長くなる場合がございます。予めご了承下さい。
- 手術前後の診察時には、基本的に瞳を広げて(散瞳)診察を行います。
散瞳や、眼帯をしている状態では視野が狭くなり、遠近感が取りづらくなります。
また、手術後もしばらく見え方が安定しない場合があります。
このような状態でのお車の運転は非常に危険ですので、お車での来院はお控え下さい。
白内障手術についてよくいただくご質問
- Q1.手術は痛いですか?
→ 手術の痛みはほとんどありません。
当院では手術前に点眼麻酔を行い、その後手術室で追加の麻酔をします。
麻酔時に少ししみる感じがします。- Q2.手術時間はどの位かかりますか?
→ 手術時間は通常20〜30分程度です。
個人差はありますが、早い場合は10〜15分程度で終了する場合もございます。
- Q3.手術すればよく見えるようになりますか?
→ 手術前より視力が良くなる方が多いです。
ただし、角膜や網膜、視神経の状態により個人差があります。
- Q4.手術後の通院期間はどの位ですか?
→ 手術翌日・手術後2日目・4日目・1週間目と少しずつ期間をあけて定期的に診察があります。
ただし、目の状態によって診察回数は異なります。
また、手術後1週間の間は、優先的に診察させていただきます。- Q5.手術費用はどの位かかりますか?
→ 手術費用は年齢や保険の内容によって異なります。
(レンズの種類によっては保険適用外となる場合もあります。)
例)
1割負担の方:約15,000円程度
3割負担の方:約45,000円程度※多焦点眼内レンズによる手術の場合は費用が異なります。
詳しくはスタッフまでお尋ねください。- Q6.入浴、シャワー、洗顔、洗髪、お化粧はいつから可能ですか?
→ 手術当日から4日間は洗顔・洗髪・入浴・お化粧をお控えください。
手術当日から4日間は感染症予防のため、洗顔・洗髪・入浴・お化粧は禁止です。
手術後5日目以降は可能ですが、眼の中に直接水や石鹸などが入らないよう、また眼を強くこすったり圧迫しないよう十分注意してください。※手術翌日の診察以降は、首から下のシャワー浴のみ可能です。
※手術翌日に眼帯を外した後から1週間は、保護用眼鏡をかけてすごしていただきます。- Q7.仕事や車の運転はいつからできますか?
→ 事務作業であれば、基本的に手術翌日からお仕事は可能です。
室内での事務作業であれば、基本的に手術翌日からお仕事は可能です。
(手術翌日は必ず診察が必要です。)
力仕事の場合、仕事再開時期については医師にご相談ください。運転については、見え方に不安がある状態でお車や自転車などの乗り物を運転することは大変危険です。
見え方が安定するまでは運転などはお控えください。- Q8.スポーツ、旅行はいつからできますか?
→ 汗をかかない程度の運動であれば、翌日から可能です。
その他の運動に関しては、術後の経過によって異なります。
旅行の場合、内容にもよりますが、温泉やプールなどは控えた方が良いので、詳しくは医師にご相談ください。
手術に際しましては、最善の結果を得られるよう全力を尽くします。
しかし、術後の経過においては症状により多様であり、必ずしもご期待通りの結果が得られない場合が有ることもご理解頂きますようお願い申し上げます。
日帰りでの網膜硝子体手術も行っています。
詳細については硝子体手術のページをご覧ください。